なんで仕事させてもらえないの?デザイン力だけじゃダメな理由とは

なんで仕事させてもらえないの?デザイン力だけじゃダメな理由とは

求人広告の会社に派遣で行ったことがあります。

 

覚えることも多く、デザインを作る上でのガイドラインもかなり細かく設定されていました。わたしは紙ベースの仕事はある程度こなす自信を持って行きましたが、型にハマったなかで良いデザイン・訴求力のあるレイアウトを作るということは予想していたよりも大変でした。

 

 

 

同期は私に比べ若く、美術系大学を卒業後まだ定職につかず…という状況の女性でした。とてもまじめで、言われた事を素直に忠実にこなそうとする姿勢が印象的でした。

 

 

 

ところが、研修も過ぎてデザインするシーンになった頃です。どうも大変そうにしていたのでいろいろと聞いてみました。

 

 

…すると。「デザインの仕方がわからない」といい、デザインの基本ブックを買って勉強していたようですがあまり上手く行かない様子で、最終的には契約破棄になって姿が見えなくなってしまいました。とても残念でした。

クライアントの要望はデザインではなく「費用対効果」

その会社のガイドラインが相当細かく、それによって着いて行けずに辞めてしまう方が多かったのも事実でしたが、彼女の場合はそことは違う点に問題があったように見えました。

 

 

 

それは「要求に対して、自分の解釈で表現してしまう」ということ。

 

デザインの依頼は難しい部分があり、的確にココとココをこうしてあーして」と作業依頼が入るわけではありません。

 

「必要とする文言と取り入れてほしい内容」をもらい、それをもとにデザインします。

 

ここで注意なのは、作成するデザインはきれいにカッコよく作ればいいという訳ではないこと。

 

「先方の意向とマッチしているか」

 

「そのデザインは何を訴求するものか」

 

ということを前提に、それを包括したデザインがあり、全体のバランスがうまく取れている必要があります。

 

彼女の場合は、依頼された内容を自分の「想像力」「アート性」を駆使していました。そこに注力してしまい、先方の意図を捉えることが出来なかったように思えました。

 

実際、彼女のポートフォリオも見せてもらったのですが、とてもお洒落で素晴らしく、そのまま個展でも開いたら面白そうだなと感じるレベルに思ったほどです。

 

 

 

もし彼女が、自分自身の「芸術性」を追求することが仕事なのであれば問題なかったと思います。ただ、実際の仕事はそうではなかった。

 

現場に入った時、先方が何を求めているかをつかめず、簡単なデザインさえも頭を抱え、苦しんでしまう…という問題が発生してしまったのです。

デザインの良し悪しの採点基準は?なんでそのデザイン選ぶの!?って本当は言いたい…。

チラシやロゴのデザイン制作をする場合、1点で出す場合もありますが、2~3点くらいのサンプルを提出することが多いです。

 

そういった場合の多くに、自分の「お気に入り」が入っており、選んでほしいな…これで決まるはず…という気持ちが込められて至ります。

 

でも大抵その期待は裏切られるというか、選んでいただけてるのでありがたいのですが、自分がいいと思ったデザインは選ばれないことばかりです。

 

捨てデザイン…というとアレですが、数の帳尻合わせで出すデザインサンプルも時にはあるのですが、まさかのそれが選ばれることもある。

 

クライアントの判断と自分の判断にはどうやら大きなギャップがあるように感じます。

 

なので、デザイナーは「アートに走らない」「クライアントの意向を推量する」という力や妥協性が必要だと思います。

 

でもそれを繰り返すうちに、デザインと訴求性のバランスが取れたデザインが作れるようになるので、経験は力なんだなって実感します。

制作現場で自分の気に入った作品は作れない

このように、デザイナーは「売り上げを伸ばしたい」というクライアントの気持ちをよくよく考えながら制作することが大事です。

 

「いいものを作りたい」というデザイナーの気持ちである「いいもの」とは主観でもあります。

 

ということは、自己満足が入ってしまいますよね。自分にも言えることですが、自己満足を満たしてくれてお金をくれる仕事はほぼ存在しないでしょう…。

 

でも、限られた条件の中で、お客さんの要望に沿いながら自分のデザインを展開していくということには、やりがいも感じられるはずです。

 

例えば「世界中で大ヒットするデザイン」はデザインそのもののすばらしさの他に、いろいろな人が関わって、広告費を使い、企画、営業、告知イベントなどを絡めての仕事の結果であったりします。

 

 

制作現場は自分の作品を作るところでは無い。それを知っているかどうかはすごく重要だと感じたのでした。

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