フリーランスとして活躍するためのはなし

デザイン力がいくらあってもダメ?デザイン力と収入は比例するか

求人広告の会社に派遣で行ったことがあります。覚えることも多く、デザインを作る上でのガイドラインもかなり細かく設定されていました。紙ベースの仕事はこなす自信を持って行きましたが、型にはまったなかで良いデザイン・訴求力のあるレイアウトを作るということは予想していたよりも大変でした。

 

その時の同期はまだ若く25歳前後だったかな、美術系大学を卒業後まだ定職につかずにいたという話でした。とてもまじめで、言われた事を素直に忠実にこなそうとする姿勢が印象的でした。

 

ところが、研修も過ぎてデザインするシーンになったころどうも大変そうにしていたのでいろいろと聞いてみました。すると「デザインの仕方がわからない」といい、デザインの基本ブックを買って勉強していたようですがあまり上手く行かず、最終的には契約破棄になって姿が見えなくなってしまいました。とても残念でした。

 

その会社のガイドラインが相当細かく、それによって着いて行けずに辞めてしまう方が多かったのも事実でしたが、その同期の場合は違う点に問題があったように思います。

 

それは「言われたことを、自分の解釈で理解して表す」ということ。つまり、結果として依頼された仕事とは違うものが出来あがってしまうのです。その方のポートフォリオも見せてもらったのですが、とてもお洒落で素晴らしく、そのまま個展でも開いたら面白そうだなと感じるような内容でした。

 

しかし、実際の仕事の現場に入った時、簡単なデザインさえも頭を抱え、こなすことが出来ないという問題が発生してしまったのです。

 

どういうことでしょうか。

デザインができるのに作れないワケ

美術系の大学を卒業して、簡単なデザインの要望に応えられないという結果の原因についてはこう思います。

 

その方は「自分が発想したデザインを形にすることは出来る」ということだったのです。どういうことかわかるでしょうか。

 

デザイナーなので、自分でイメージを作り、意味を持ったコンセプトとともに形にして行くのが普通だと思います。しかし、現場はアートのコンペではありません。

 

「無茶ブリな要望」
「あり得ない配置のオブジェクト」
「考えられないレイアウト」…etc

 

お客様の要望をストレートに見てみたら、こんな風に感じることは日常茶飯事ですが、これを「どうやって上手く表現するか」「どうやってお客様の要望とマッチングさせるか」というのがデザイナーの腕の見せどころなわけです。

制作現場は自分の作品を作るところでは無い

お金を貰ってデザインを作るということは、そういうことです。
スポンサーの意向をもとに、良い結果がでる広告物を作るということですよね。

 

それは有名なデザイナーであっても、そうだと思います。「ゼロから勝手気ままに好きなデザインを作って、それが世界中で大ヒット!」というわけではなく、そうなるためにはいろいろな人が関わって、広告費を使い、告知イベントも行うなどの計画と行動の結果なのですね。

 

もちろんその時の同期の方は、甘えた考えで来た訳ではありませんでした。すごく一生懸命やっていました。
ただし、考え方ですよね。

 

制作現場は自分の作品を作るところでは無い。それを知っているかどうかはすごく重要だと感じたのでした。

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